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サブロク

日記だったり更新内容だったりオフ情報だったり愚痴だったり。何があってもおかしくない。サイトに置かないものもあったりなかったり。

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7周年!


ここ一週間で気温は急激に下がり、秋から冬への季節の移り変わりを嫌がおうにも感じた。まだ霜は降りないものの、朝夕の空気は澄んではいるが冷たく、呼吸をするたび肺がちりりと痛む。顔を洗おうと水に手を入れると、突き刺すような冷たさに眉根を寄せた。けれどテントの方から漂ういい匂いに、水の冷たさなど忘れ、心が踊る。食事時はリッドにとって至福の時間なのだ。ざばざばと一気に顔を洗い、乾いたタオルで拭う。
朝食はなんだろうか。匂いに想像を膨らませる。
オムレツだったら嬉しいなぁ、なんて考えながら足取り軽くテントへ向かった。


テントへ戻ると食事の準備ができているかと思いきや、ぐつぐつといい匂いを出している鍋を放置で、ファラに攻められているキールがいた。いや、そういう意味ではなく。
怒髪天を衝くようなファラに凄まれ、猫を噛めない窮鼠つまりキールは怯えていた。そりゃあそうだろう。彼女は猫ではない。獅子だ。強いというよりヤバイ。
「早めに言ってね、っていっつも言ってるでしょ!?」
「だ、だから別に僕は……」
「嘘おっしゃい! 私を欺こうだなんて100年は早いんだから!」
腰に手を当て、怒鳴るファラ。
いやいや、いつもなんだかんだで騙されてるお前が言うなよ、と。ツッコミたかったが、事態が悪化しそうなので止めて、違う言葉を舌に乗せた。
「何やってんだよ。こんな朝っぱらから」
オレとしては早く飯にしてほしいんだけど。
欠伸をしながら二人に近付く。
するとリッドの存在に気付いたキールが助けを求めるようにリッドを見やった。ファラに攻められていたせいだろうか、少し瞳が潤んでいる気がする。いや、だからそういう意味ではなく。昔からファラに怒られては泣いていたので、それがもう本人の意思とは関係なく反射となっているのかもしれない。だが、素直に助けを求められて悪い気はしない。それがキールなら尚更。彼ときたら普段頼ってはくれないのだから。自分はそんなに信用が無いのだろうかと、たまに本気で凹む。
え、何コレ、オレ、ウルタス・ブイっぽくね?
つい最近観た演劇を思い出す。

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麦茶と麺ツユ間違えて飲んだ。そして吹いた。

「あ」
「なんだよ、忘れ物か?もう成層圏だし、戻れねえぞ」
「違いますー。子供扱いしないでよね」
「じゃあなんだよ。まさか、宇宙にでも飛び出したいとか言うんじゃねえだろうな」
「もうっ!そんなんじゃないんだから!…確かに、飛び出したらどうなるんだろうなぁって気にはなるけど」
「おいおい……」
「ファラさん、止めて下さいよ。宇宙になんか生身で飛び出したら、死にますよ?」
「わ、分かってるわよ」
「で、なんなんです?」
「え?」
「さっきの『あ』って。何かに気づかれたんでしょう?」
「ああ……。あのね、今日って七夕だなぁって、今さっき思い出したの」
「七夕?」
「おいおい、七夕なら先月だろ?」
「旧暦だと今日が七夕なんだ。だからほんとの七夕ってだから今日なんだよ」
「へえ…」
「インフェリアには暦が二つもあるんですか。少し面倒ですね」
「で、それがどうかしたのか?」
「ん?だって、今の私たちみたいじゃない?」
『え?』
「空を駆けて、離れ離れになった人が出会うんだよ?白鷺じゃないけど、このバンエルティア号に乗って、ね」
「ああ……確かに似ていますねえ」
「そうかあ?似てないと思うっていうか、俺はそんなの嫌だけど」
「なんで?」
「だって」


一年に一度しか会えないなんて、そんなの耐えられねえじゃん。

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進路ってねえ

 ぴらぴらとした薄っぺらいB5用紙。こんな紙一枚で人の人生左右しようってか。ほとほと納得いかない。決まらないもんは決まらないんだから、しょうがないじゃないか。書いたからって、別に何か変わるわけでもなし、それに書けないんだからしょうがない。
「…何やってるんだよ」
「見てわからねえ?」
 半分に折って、対称に折り目を付けていく。こんなの作るの久しぶりだから、どんな風に折ればいいか、ちょっと忘れていた。
「紙飛行機でも作る気か?」
「せぇかーい」
 笑って出来上がった紙飛行機をつい、と飛ばした。雑に作ったそれは案外遠くに飛んだ。まっすぐな軌道を描いて、そしてぽとりと床に落ちた。
「お前…それ進路調査票だろ」
 あきれた様子でこちらを向く。いっそいつもみたいに怒ってくれたらなあなんて思ったりして。あれ俺ってもしかしてマゾ?
「だって、書けねーし。こんなんすぐに決まるかよ」
 錆びたパイプ椅子から立ち上がって部屋の隅に落ちた飛行機を拾い上げる。少し、埃をかぶっていた。自由にいたい。紙飛行機みたいにうまく気流に乗れたらきっとずっと遠くまで行けるんだろうけど、失敗したらこいつみたいに埃をかぶって、そんで捨てられてしまうんだろうか。
「何になりたいとかさ、そんなの分からないし。今決めたからって、一年後、十年後の俺が望むか分からねえじゃん」
 それなのに決めることって意味あんのか?
 分からない。どうしてこんな紙に自分の人生書かなきゃいけないのか。
「何に向いてるのか、わかんねーのに」
 何ができるのか、わかんねーのに。
 未来への可能性がぎゅっと縮んだみたいで、悔しくて、紙飛行機を握りつぶした。


たぶん続きますー。
あれ…こんな内容じゃなかったはずなのになあ…


昨夜の銀魂は、えーと、その。えーと。ありがとうございました。ごちそうさまでした。落ち着きます。もっかい見てくる。

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 見慣れたはずなのに、見慣れぬ姿。
「つまんね」
 猫のように彼の長い後ろ髪をいじりながら、ぽつりと呟いた。
 いつもなら指に絡まるほど長いのに。
 髪は、いつものように高い位置で括れるほどの長さはなく、中途半端な長さになって、首の後ろで一つに括られていた。いつもなら下ろせば背中の半分まで達するほど長いのに、今は肩甲骨あたりで揺れている。
 その失った長さが、今は、痛い。
 髪なんて、どうってことない。本人が生きていればいいと思っていたはずなのに。
 あの長さがないのが、こんなにも面白くない。
「じゃあ離せよ」
「やだ」
 髪を梳く。いつもより短いそれが、物足りない。物足りなくて、何度も何度も梳いた。括ってあった紐を解いて、何度も。
「……すぐに伸びる」
 小さくため息を漏らして、呟いた。
「じゃあさ、今すぐ」
 子供じみた我侭だと理解しているけど、どうしようもなかった。
「……髪くらい、どうってことないだろ」
「やだ」
「ぼくは生きてるんだし」
「それでも」
 髪だって、おまえの一部なんだから。
「なくなるのは、いやだ」

 こんなにもあの長い髪に執着するだなんて、思っていなかった。





えーと。銀魂の紅桜編に触発されました。だって戦闘中に髪くらい切られちゃうかもしれないじゃないですか!なんかぽんぽん揺れてるし、あの髪!

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